今年度から始めた研究について

フォント

今年度から新規に始めた研究の概要を簡単にご説明します。
テーマ名は「既存フォントのデザイン加工に関する研究」です。
ポスターや広告などで使用される文字は、 デザイナーによって「1文字ごと」に表示(広告の品など)内容にマッチするようにいろいろ装飾されています。 この装飾の傾向は、どのフォントでも同じであり、文字が変わるごとに大幅に変化することはありませんが、 一貫性が保たれていなければ、デザインとしてバランスを欠いたものになってしまいます。
そこで、本研究では、既存のフォントを使って、数個の文字に施した装飾を、 そのフォント全体に反映する手法を提案します。 数個の文字に共通する装飾の傾向を文字データの座標間の隔たりとして扱い、 他文字へ同等の隔たりを反映し、フォント内で装飾が同等に施されるようにします。 これにより、従来、各文字ごとに装飾していた作業を大幅に省略でき、 過去に別のデザイナーが装飾した文字から別の文字を装飾することができるようになります。
本研究の新規性は、数個の文字をデータ解析して、その傾向を見つけ、全体も同じようにする、というところです。 本研究の成果は、風景画などをデータ解析して、画家特有の作風を見いだすことができ、 写真などからその画家特有の作風で新しい作品を生み出すことが可能になります。
あなたがスマホや携帯で撮影した写真を、レオナルド・ダ・ビンチ、ピカソ、フェルメールなどの 過去の偉大な作家が画いたようにすることができるようになります。
現在、作風のデータ解析はまったく行われていません。 作風を解析することによって、時代背景やその時の人々の暮らし、作家の心情などいろいろなことがわかります。 それらを知ることによって、未来を良きものにすることができます。 今年度の成果にご期待ください。
今後とも、山内研究室をよろしくお願いいたします。